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リブランディングのための定量リサーチ

1. はじめに

 リブランディングはすべての企業にとって重要な戦略的決定であり、事業部やクリエイティブには綿密な連携と正確な現状把握が求められます。定量的なリサーチや客観的なデータは、意思決定の支援と連携を円滑化する役割を果たします。


 本記事では、JISCOが定量的なアプローチを用いてリブランディングにどのように貢献できるか、そしてその結果を事業部やクリエイティブ部門にどのように効果的に引き渡すかについて解説します。


 

2. 定量調査の貢献

 リブランディングのための定量調査は、段階的かつ包括的に構成されています(図1)。まず、ブランド認知度の測定をもとに市場での存在感を把握します。次に、ブランドイメージの分析では、消費者が抱くブランドへの印象や連想を、属性評価や自由回答を通じて深く理解します。これらの結果を踏まえ、顧客満足度の把握では「現在の顧客の総合満足度や個別要素への評価、推奨意向度(NPS)」を測定し、ブランドの強みと改善点を特定します。

 市場全体の文脈に位置づけるため、事業部が市場動向の把握を行い、市場規模、成長率、競合状況を整理し、クリエイティブ部門によるイメージの刷新が図られます。


 

図1.


 

2.1 ブランド認知度の測定

調査データ:

  • 競合他社の認知度データ:純粋 / 助成想起率による比較

  • トップ・オブ・マインド:最初に思い浮かぶブランドの割合


分析手法: a. 記述統計:全体的な認知度レベルと分布を確認

b. 分析:

  • トレンド分析:時系列データを用いた認知度の変化を分析

  • セグメント分析:年齢、性別、地域などの属性別に認知度を比較

 

2.2 ブランドイメージの分析

調査データ:

  • ブランド属性評価:品質、信頼性、革新性などの評価スコア

  • ブランドから想起されるキーワードやイメージ(自由回答)

  • 競合他社のブランドイメージデータ(上記と同内容)


分析手法:

a. 記述統計:ブランドの各属性の値、全体的なイメージ評価と分布を確認

b. 分析:

  • コレスポンデンス分析:ブランドと属性の関係性を二次元マップで視覚化。これにより、競合ブランドとの位置づけ、各ブランドに強く関連する属性を直感的に把握

  • テキストマイニング:自由回答からキーワードを抽出し、頻出語の分析や共起ネットワーク分析を行い、ブランドに対して持つ潜在的なイメージや連想を可視化

 

2.3 顧客満足度の把握

調査データ:

  • 総合的な満足度スコア/ NPS(Net Promoter Score:推奨意向度)

  • 再購入意向

  • 製品 / サービスの個別要素に対する満足度スコア


分析手法:

a. 記述統計:総合的な満足度やNPSの比較、個別の要素に対する満足度の比較

b. 分析:

  • 回帰分析:総合満足度やNPSに影響を与える個別要素の定量的な評価

  • 決定木分析:高い満足度の顧客の特徴を抽出、セグメントごとの満足度向上策検討

 


2.4 各部門での活用

 クリエイティブ部門は、このようなリブランディングデータをもとにビジュアルとメッセージの改善に取り組むことができます。例えば、低い認知度を示すデータから、ロゴやカラースキームの再設計の必要性を認識し、ブランドの視覚的要素をより記憶に残るものへ改良。ブランドイメージ分析から得られたキーワードや属性評価を元に、望ましいブランドパーソナリティを反映したデザイン要素を開発します。また、顧客満足度調査の自由回答から抽出されたポジティブな感情や期待を、グラフィックデザインや広告コピーに織り込むことで、顧客との感情的つながりの強化をねらいます。


 一方、事業部は同じデータセットを戦略的意思決定のツールとして活用する。ブランド認知度の競合比較から、マーケティング予算の配分やチャネル戦略の見直しが可能となります。ブランドイメージ分析結果を用いて、製品開発やサービス改善の方向性を決定し、市場ポジショニングの調整を企図します。個別の要因の顧客満足度と再購入意向の分析結果は、顧客維持戦略の立案や、ロイヤルティプログラムの設計への貢献が期待できます。


 両部門がデータで連動することで、プロジェクトの価値は高まります。例えば、事業部が特定した重要セグメントに対して、クリエイティブ部門がターゲットを絞ったビジュアル戦略を展開する。また、クリエイティブ部門が発見した消費者の潜在的ニーズを、事業部が新製品開発に活かすことにつながります。


 


 このように定量的なアプローチは、リブランディングに必須の客観的データと深い洞察を提供します。JISCOの提案するアプローチと経験は、この複雑なプロセスを力強く支援いたします。


  1. データドリブンの戦略立案: 確かなデータに基づいた意思決定により、リブランディングの成功確率の向上をねらう

  2. 部門間の連携強化: 事業部とクリエイティブ部門の協力を促進し、一貫性のある強力なブランド戦略を実現

  3. 持続的な成長への基盤構築: 長期的なブランド価値向上の道筋を示し、市場の変化に迅速に対応する体制の強化


 市場競争が激化する今日、科学的アプローチによるブランド戦略の重要性はますます高まっています。


 事業会社の皆様はもちろん、リブランディングを支援するデザイン会社様やコンサルティング会社様からのご依頼もお待ちしております。皆様のプロジェクトに新たな価値をもたらし、クライアント企業の成功に貢献します。

 貴社やクライアントの具体的なニーズに合わせたカスタマイズ提案をご用意させていただきます。リブランディングの成功、そして持続的な企業成長をサポートいたします。

 お問い合わせお待ちしております。

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